東京SP研究会
コラム:日下隼人

日下隼人プロフィール

No.4

難しい症状を演じる患者

日下隼人 神経疾患の症状や呼吸困難などを演じるSPがいます。迫真の演技は珍しい役者を目の当たりにする見世物としては面白いのですが、学生の心に残るのは「すごい演技だった」という記憶だけで、そこで問われていた付き合いの質は演習が終わった時点ですっかり忘れられてしまいそうです。 それに実際の場面では、さまざまな診察や言葉で症状が軽快したり悪化したりするはずですが、それとは関係なく演技が続いていってしまいます。実際には、患者さんにタッチ(手当て)することで症状や自律神経的所見が変化するのですが、このような演習では「手をあてること」や「声をかける」ことと患者の演技とは関係なく進行してしまいがちです。  面白い見世物としてSPを見る目がつくと、患者をそんなふうに見る目が育ってしまいます。

 

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