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No.40
「時間の問題??」
医者に対して「もっと説明してほしい」という投書に対して「医者は忙しすぎる。朝には2分くらいしか病室に行けていないのだから、このように言われるのは仕方ない」と言う医師がいました。
時間の問題に還元してしまうのは、医師が自然科学になじんでいるためなのかもしれません。でも、これは時間だけの問題なのでしょうか。2分は確かに短い。でも、その2分が10分に感じられる接し方があり、一方で30分話されても何も話してもらった気がしない接し方があります。2分しかないとしたら、その2分の時間を濃密にするように接しているでしょうか。医師が、2分間真剣に患者さんに向かい合ったら、むしろ患者さんは濃密過ぎてしんどくなることさえあるかもしれません。
この患者さんが求めていたのは時間の長さなのか、自分をきちんと見てほしいということなのかは、わからないのです。質を問わずに、時間という量の問題としてのみ受け止めてしまうと、この患者さんの訴えから遠ざかってしまうかもしれません。