東京SP研究会

 

2000年  日本医学教育学会大会 発表

SP養成



peer counseling仲間どうしの 聞き合い

共通の  興味・関心
           疑問・戸惑い
           不安

同じ立場だからこそわかること
恥ずかしくない(ありのままでいい)

経験を通して伝えられるもの

安心    喜びも苦労も分かち合う
納得    話し合いを通じて理解を深める
自立    SPとして考え行動する

探求  患者・医療者間コミュニケーションのモデル


だれがSPになるのか
                                 患者の立場(一般市民)
一般市民とは
生活者
                                 納税(教育) 保険料納付(医療)

なぜSPをするのか
(一般市民が医学教育に協力する理由)

                                 よりよい医療への期待

SPが考えるよりよい医療とは

                                 患者・医療者の相互信頼と理解の場

上下関係や対立関係ではなく、協働としてのSP活動
医療を受ける立場だからこそできること


SP養成プログラム

期間      4ヶ月(99年10月〜2000年2月)

所要時間      12時間(3時間×4回)

人数      25名(1グループ3〜14名)

募集媒体      OSCE実施大学関係者(非医療者)
                  上智大カウンセリング研究所同窓会
                  東京SP研究会

養成場所      OSCE実施大学
                  東京SP研究会定例会場(池袋保健所)

テキスト      東京SP研究会作成テキスト・SP資料
                  OSCEシナリオ
機材            VTR収録・再生 ダビング機器


養成手順

1.仲間づくり(自己紹介・医療の体験)
      自分の言葉で考え、話す
      他者の言葉を聞き、理解する

2.医学教育の現状についておおまかな説明   
      OSCEとは
      誤解・過度の期待をなくす

3.医療面接の考え方についての説明
      OSCE課題の目標を知る

4.医療面接におけるSPの役割解説
      OSCEのVTRを見る
      医学生の実態を初めて見る

5.シナリオの解説
      症状+その人の人生・心理

6.演じる
      VTR収録
      全員分を再生し、感想・討論
      質問の分析と答え方

7.評価する(OSCE評価表)
      評価の考え方

8.自分の中での標準化と、他SPとの標準化

9.現SPの体験談
      ・毎回の感想カード
      ・プログラム終了時のアンケート
      ・ OSCE実施時の報告書


毎回の感想カードから

初回      ・本当にできるか不安で一杯
            ・医療側の立場を考える良いきっかけになる
            ・病気をしたことが役立つとは、大変うれしい

2回目   ・相手の質問の意図をどの位汲み入れるか
      ・VTRで客観的に見られるのは興味深い
      ・聞かれ方によっては、自分が訴えたいことを言う機会が得ら
               れない。欲求不満になる

3回目   ・質問の仕方が変わったり、さえぎりがあると答え方が難しい
            ・多様な学生さんに対応できるようにしたい

4回目   ・冷静に相手の印象を記憶していられるか不安
            ・自分にとっての感じを信じて評価するのみ
            ・練習も回が重なる度に細部までが気になり口ごもったり、
               頭の中で正しく選択できない


養成プログラム終了時アンケートから

@ 養成の全体的な印象について
・良かった、面白かった、楽しかった、進み方が適度
・難しかった ―――シナリオを消化するのが大変
       ―――今まで会話そのものについてあまり考えたことが
                              なかった

A 養成の中でとくに印象に残ったことは
・こんなに短期間で実行できるようになれるとは
・系統だって訓練が行われていること
・マンツーマンの練習時で、丁寧さが感じられた
・初めてビデオで自分の姿を見たこと
・実際の医師が参加し、意見を出したり討議すること
・シナリオについて自由に意見を出し合って考えた
・あくまでも患者として一貫していることが必要という点を常に心
    に留めることの重要性
・これから現場に出ていく学生さんにプラスとなるお手伝いができる
    ことを目的としていること

B練習は足りていますか?   最低限〜そこそこ

C自宅での練習時間は?    全体で5〜6時間

DOSCEの本番を迎えるにあたって不安なことやお困りのことはあり
   ますか?

   はい―――・どんな質問が来るか、まるで分からない
                  ・シナリオ通りに演じることができるか
                  ・対応しきれるか、とても不安
                  ・冷静に評価をつけられるか不安
                  ・定刻に集合場所に行けるか
                  ・体調を崩さなければいいが

EOSCEの後も、SP活動をやってみたいですか?
   ・はい
   ・OSCEをやってみないとなんとも言えない
   (この回答のうち半数が活動を継続)

FSP養成プログラムを経験して、医療におけるコミュニケーションに
   ついて、改めてなにかお感じになることがありますか?
・ 最近は医者の側にも改良の意志が感じられるが、ある一定以上の年
    齢の方々は昔のまま。
・ 医師が素人に対して心をこめて接していこうとしているのはよい傾
    向だと思う。
・ 積極的に行動することの大切さを理解できた。
・ 医療面接は医療には一番大切で充実されるべきだと思う。
・ 実際にSP活動による効果が感じられるのはずっと何年も後かも知
    れないけれど、少しでも改革の動きがあることに、これから期待で
    きるかも知れない。

GSPの志望動機
    個人的な医療体験、人に勧められて、役に立つなら





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