東京SP研究会

 

2001年  日本医学教育学会大会 発表

模擬患者からみた医療面接実習    一般人の目に映った医学教育の一面



模擬患者からみた医療面接実習一般人の目に映った医学教育の一面

佐伯晴子(東京SP研究会事務局)

【目的】
   医療面接教育にSPが参加する機会が増えているが、 SPをする一般人に医療面接などの医学教育はどう受け止めら れているのだろう。社会との一接点として彼らの感想を報告し 医療の信頼につながる医学教育のあり方を考える。

【方法】
   東京SP研究会所属のSP約20名が1年間に参加した 医療面接実習およびOSCE医療面接の活動報告書(約300)を 項目別に分析する。実習全体を通しての印象、準備段階の問題、 実習内容について、今後の課題などの自由記述部分の中から、 実習の主催者への感想および提言につながるものを抽出する。

【結果】
   医療面接の教育目標が明確に示され、その内容に共感 できる場合に、SPはやりがいを見出している。目標がはっきり せず、医療者―患者関係の構築が軽視され議論が別方向に進ん だような場合は実習や教育そのものについて疑問を抱いている。 また、実習がOSCEの準備段階として設定されると、評価表を もとにマニュアル化した面接が教えられると危惧している。学 生や研修者の服装や態度について、指導がすくないように感じ ている。参加者から積極的に発言できるよう配慮された実習に SPは充実感をおぼえている。実習およびOSCEでは、準備の 段階から終了後の反省の段階まで協力者として参加できると、 建設的な評価をする。その場限りの下請けは評価が低い。

【結論】
   SPは自由意志にもとづくボランティア的活動である。 医療の受け手の立場からよりよい医療づくりに参加するという 志望動機は活動開始6年経っても不変だ。教育、福祉、放送、 金融、家庭、各の分野で活躍した背景をもつ彼らは、患者が 切実に求めるものと医学教育の現場で見ることのギャップに 戸惑い、疑問をもつ。だが、教育は時間のかかるものだと考え じっくり腰を据えて前向きに取り組む覚悟でいる。




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