東京SP研究会

 

2003年  日本医学教育学会大会 発表  

医療面接教育は「患者中心の医療」につながるか



医療面接教育は「患者中心の医療」につながるか

OSCE課題とプレテスト結果などからみた医療面接教育
東京SP研究会   佐伯晴子



「患者中心の医療」とは

● 患者さんが主体的に参加
● 患者さんと医療者の協働作業
● チーム医療
      信頼
求められる コミュニケーション能力
対患者さん 対他の医療職  対社会
⇒医療面接教育


問診                   ⇒                医療面接
医療者は質問
患者さんは答える
閉じられた質問

医学的情報が最優先
診断・原因究明
時間が余っていたら
心理・社会的側面
患者さんと医療者の
コミュニケーション
開かれた質問

主訴・受診動機・理由
 (ニーズは何か
どこまで把握できるか
患者さんの解釈モデル

学生にとっての医療面接

● 信頼してもらわねばならない
● 病歴聴取のほかに新しい項目
● 患者さんの不安をとりのぞかねばならない
● あれもこれも時間内にすべてこなすべき
● 人間が相手だと初めて気づいた!
● 一人一人感じ方が違う!
● ぜんぜん時間が足りない!!

断片的な「医療面接的」要素
● 世間話でリラックス
● 小さな声で自己紹介
● お名前は?ハイ結構
● 思い当たるふしは
● おタバコとお酒は?
● まとめますと・・・
● 言い忘れたことは?
● ご希望の検査は?
● 年長者への礼儀は?
● 自己紹介の意義は?
● 知能検査兼用
● 解釈モデルは病名?
● 唐突な質問
● あと1分でフィニッ
  シュ
● 患者は健忘症?
● マニュアル質問項目

「医療面接」の顔をした問診
何のためにするのか
自己紹介 挨拶
開かれた質問
確認 解釈モデル

患者さんとの面接で
何をしたいのか
不明
ひたすらマニュアル
検査すればわかる



目的地不明

実習で得た感性を消す?OSCE

● じっくり話を聞くには時間がかかる
● 開かれた質問は 相手を受け入れること
● 患者さんの言葉をくりかえして確認
● 話が苦手でも誠実な態度で信頼得られる

⇒  5分間   項目別得点   情報量で計測   緊張が伝わり、打ち解けず
     信頼されず


現在の医療面接教育の問題点

● 患者医療者の信頼関係構築が目的では?
● 「問診」の看板を変えただけなのか?
● 初めてのコミュニケーション教育?
● 練習抜きの いきなり試験でいいのか?
● 今現在の医療の実態に合わせるのか?
● 患者中心の医療は意識されていない?
  ⇒ SPは質問に答える人形か?

医療面接教育 今始めること

共用試験OSCE  で  試験先行
⇒  実習を何度も経験  ⇒自己評価  ⇒改善
態度・コミュニケーション技法と医学知識の二兎
⇒  初学年に基本的コミュニケーション教育
⇒  学年ごとに専門性との両立

⇒  学生の個別性を認める  ⇒学習者中心
⇒  患者さんの個別性を考えられる  ⇒患者中心




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