東京SP研究会

 

2003年  医学教育学会誌 てがみ  投稿

医学(その他すべての医療者)教育者が模擬患者になること



医学(その他すべての医療者)教育者が模擬患者になること

東京SP研究会代表  佐伯晴子

   診察主技習得のため、対象となる身体を提供したり身体症状を呈示したりすることが求められているようです。特定の疾患の知識と理解をもった人材がその疾患をもった身体を具現するのは、医学そのものに無知な素人が行うよりはるかに的確であり、効率的であるのは誰も疑わないでしょう。まず、説明と指導に要する時間と労力あるいは、依頼するにあたっての金銭、精神的負担をすべて解消できます。何より、疾患に即した模擬演技がリアリティをもって確実に行えます。また、教育の目的を共有する教育者どうしが、教育機関を横断的に模擬患者として行き来すれば、教育の全国標準化をはかることも同時に可能になるだろうと思われます。全国に医学をはじめとした医療者専門養成教育機関が連携して、各校から専門の教員がほんの数名協力すればすぐにでも実現可能なことではないでしょうか。もとより教員の使命はその教育に資することであると考えますので、教員以外に適任はないものと考えます。
  ただ、患者さんの個々の価値観にあわせたインフォームドコンセントの学習の場面では、 医療以外の文化に属する(多様な価値観を具現できる)一般人の模擬患者が行うことが目的にかなっていると思われますので、一般人の模擬患者はこの部分を担当することで、わが国の医療が技術と信頼の両面で向上するのではないかと私は考えます。



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